Django 2.0
から必須になった on_delete
の使い方について、毎回調べるのも面倒なのでまとめました。 on_delete
はモデル同士を紐付ける時に利用する「 ForeignKey
」「 OneToOneField
」に設定します。
on_delete とは
on_delete
とは、参照するオブジェクトが削除された時に、それらと紐付けされたオブジェクトの振る舞いをどうするかを設定するものになります。 on_delete
の設定には下記の6つのいずれかが設定可能です。
- CASCADE : 関連付けられているオブジェクトを全て削除する
- PROTECT : 関連付けられているオブジェクトがあると削除できない
- SET_NULL : NULLがセットされる
- SET_DEFAULT : デフォルト値がセットされる
- SET() : 削除時の処理を自由に設定できる
- DO_NOTHING : 何もしない
では、一つずつ使用例を元に説明していきたいと思います。
こちらのモデルを元に説明していきます。 ForeignKey
を使用して、 Music
オブジェクト(音楽)は Author
オブジェクト(作者)を参照しています。
# models.py
from django.db import models
class Author(models.Model):
"""
作者
"""
name = models.CharField(max_length=50)
def __str__(self):
return self.name
class Music(models.Model):
"""
曲
"""
author = models.ForeignKey(Author, on_delete=models.CASCADE)
title = models.CharField(max_length=50)
def __str__(self):
return self.title
Music
テーブルのデータは以下のようになります。
CASCADE
削除するオブジェクトに紐付いたオブジェクトを全て削除します。例えば、以下の画像のように Author
オブジェクト(作者)の「ショパン」を削除しようとして削除ボタンをクリックすると
「関連付けられているオブジェクトを削除します」とメッセージが出るので、「はい」をクリックすると、 Author
オブジェクト(作者)の「ショパン」が削除されるのと同時に、それに紐付いた Music
オブジェクト(音楽)も全て削除されます。
PROTECT
author = models.ForeignKey(Author, on_delete=models.PROTECT)
関連付けられているオブジェクトがあると削除できません。
CASCADE
を設定した時と同じように削除ボタンをクリックすると「削除できません」とメッセージが表示されます。
SET_NULL
author = models.ForeignKey(Author, on_delete=models.SET_NULL, null=True)
オブジェクトが削除されると、代わりに NULL
がセットされます。 author
フィールドには「 null=True
」を設定しておく必要があります。
Author
の「ショパン」削除後
SET_DEFAULT
author = models.ForeignKey(Author, on_delete=models.SET_DEFAULT, default=Author.objects.get(name='不明').pk)
オブジェクトが削除されると、代わりにデフォルト値がセットされます。 author
フィールドにはデフォルト値を設定しておく必要があります。
このように author
フィールドにデフォルト値の「不明」が入ります。
SET()
def get_delete_msg():
return Author.objects.get_or_create(name='作者が削除されました')[0].pk
class Music(models.Model):
"""
曲
"""
author = models.ForeignKey(Author, on_delete=models.SET(get_delete_msg()))
title = models.CharField(max_length=50)
自分で処理を自由に設定することができます。今回は、「作者が削除されました」というメッセージを author
フィールドに設定する処理を実行します。
DO_NOTHING
なんの処理もしません。
最後に
Django 2.0
から on_delete
の設定が必須なったので、それぞれの設定の特徴をしっかり把握して、効率的に開発できるようにしていきたいと思います。誤った設定をしていると、意図せずデータが削除されたり、削除したいのに削除できなかったりするケースも出てくると思うので気を付けましょう。
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